ひよこぐみ
早いもので今のクラスで過ごすのもあとひと月となりました。先日行った丘公園では梅の木を見つけ、地面に散った花びらやっぽみを子どもたち
とい集めたりふっと息を吹きかけて飛ばしたりしながら春の訪れを感じています。
2月は1年の行事の中でも大きなインパクトのある節分の会があり、1月中からぱんだやうさぎの友だちが鬼の面をつけ「おには そとー」と遊んでいる様子をじっと見つめ絵本や園内の装飾からも「鬼」という存在をだんだんと知っていきました。でもまさか自分たちの前に本物が現れるとは思っていなかったでしょうね。大人でも少々不気味さを感じる赤鬼の登場に、恐怖のあまり担任に強くしがみつき泣き叫んだり一切目に入らないよう担任の背中に隠れたり、鬼に抱っこされると泣きながら担任に助けを求めてパニック状態に…・・。園内掲示の写真から迫力ある鬼やその場の雰囲気が伝わったでしょうか。その後はぱんだ組が先導して鬼退治となったわけですが、退治に使った本物の鍋は当たり前ですが生臭く恐る恐る嗅いでは顔をそらしまた嗅ぎ、トゲトゲした格を見ると顔をしかめ(いたいいたい?)と大人に訊ねたり、年の数と同じ1粒の大豆を神妙な面持ちで食したり
・・鬼に対して恐怖感だけが残る行事とは違い、五感を刺激した経験は身のまわりへの興味や関心が高まり脳が刺激され活性化にもつながります
ね。ひよこ組は年間を通して五感を使うことを大切に保育をしてきたので、泣きじゃくる子どもたちをぎゅっと抱きしめながらいい経験ができているな
と担任は思っていました。行事後は「おにえんえーん」と自分が体験したことを話し、鬼のパンツの曲がかかると得意気に人差し指で角を作って鬼になりきりドシンドシンと力強く地面を踏みしめていましたよ。小さな体で鬼になりきる姿が何とも可愛らしくもあり頼もしくさえ思えました。
近頃はお友だちやお人形へのお世話ブームが到来。自分の食事を終えると離乳食を食べている友だちの隣へ行き、そっと手をつなぎ相手の表情をうかがいながら保育者が差し出すスプーンにあわせ(あーんっ)と口を大きく開けたり、できるなら自分もスプーンを持って食べさせてあげたい
気持ち満々で様子をじっと見つめています。またうつ伏せで遊んでいる友だちに対し、本人の眠気の有無は二の次ですが腰のあたりをトントンして寝かしつけをする姿もあります。大人の事をよく見ていますよね。トントンされる子は優しいかかわりやスキンシップが嬉しく笑顔を浮かべる一方で、トントンする子は大人の顔を見ながら(知ってるよ。こうするんだよね!)と今にも言い出しそうなすまし顔なのでその真面目さが面白くて笑ってしまいます。お人形へのお世話はもっと実的で、布団に寝かせたあと何度も布団の位置を微調整しながら「さいたー さいたー」とちゅうりっぷの歌と一緒に寝かしつけ。これはKちゃんがいつも寝るタイミングで保育者にリクエストしてくる曲なのですが、他の子どもたちもトントンする際にはちゅうりっぷの歌を口ずさむのが定番化しています。沢山ある歌の中で「ちゅうりっぷよ」が心地良い眠りになるようで、今日も子どもたちが作り出したルーテインを守っております・・・
この一年子どもたちが育つ力を信じ、ひとりひとりの欲求が満足できるよう試行錯誤しながら日々の保育に向き合ってきました。
ミルクが飲めなかった時期や朝の別れが辛く泣き疲れて眠ってしまったことも昨日の事のように思われます。大人にとってはあっという間ですが、子どもにとっての一年は大人の何倍も中身の濃い毎日なんだろうと思います。そんな日々に担任として携われたことを感謝しております。
うさぎぐみ
春から地面に張り付いて虫探し一色のうさぎ組でした。アリやダンゴ虫、ミミズに触れ合う毎日で、中でもカブト虫は大人気!「ムシ!ムシ!」と言っていつでも見たいとアピールで、虫かごにへばりついていました。はじめは怖くて触れなかった子もだんだんと上手に掴む事が出来るようになると、カブトムシの取り合いも勃発するようになりました。みんなで次から次へと触る事で弱ったりする虫を見て、自分より小さい生き物、弱いものに優しく接する事も知っていきました。そして夏は暑い中、汗だくになりながらセミ取りに夢中でした。やっと手にしたセミですが、セミの命は短いのでそのまま大空にバイバイする子どもたち。今年度は様々な虫たちとの出会いで命の大切さを少しでも感じられたのではないかと思っています。一方室内ではうさぎぐみは棚のかげや仕切りに隠れて「いないいないぱあー」と勢いよく飛び出す遊びが大流行り。そこで運動会では「キンギョがにげた」という絵本を題材にかくれん
ぼごっこを楽しみました。子どもたちが好きな遊びを取り入れられてよかったなと思います。最近では、節分ごっこをきっかけに2本指でツノをつくって「鬼だぞー」と追いかけっこも盛り上がり中です!!走るのが大好きな子どもたちで足腰も随分と強くなった1年です!
さてうさぎぐみでもぱんだぐみさんと共に一年を通して野菜の栽培をしてきましたが、野菜は子どもが苦手とする食材で給食でも残す事が多く、季節の旬の食材は栄養価も高いので(特にブロッコリー)興味をもってほしいなと思い、冬野菜は、大根、カブ、ブロッコリーを選びました。先月、二十日大根、カブを収穫しましたが、実はとても小さく食べるところは少なくがっかりしてしまいましたが(『おおきなかぶ』の絵本が好きなのでみんなで抜くところを再現したかった・・・)葉っぱが元気よく沢山育ったので収穫した葉っぱでふりかけを作ってみることにしました。鰹節、じゃこ、しょうゆ、みりんを入れて炒めてみると、とてもおいしいのです。おひるごはんに白いおにぎりを用意し、穴をあけてそのふりかけを入れて自分でにぎっておにぎりクッキングをしてみると、なんと全員が完食しておかわりも続出!野菜全般が苦手な子も「おいしい!」と食べていてこれこそが食育だなと実感しました。その後ブロッコリー2株も大きく立派に育ち、収穫するとブロッコリーを持ち上げて(茎の部分を握りしめて)「とったー!!」と嬉しそうな子どもたち。おやつにただ茹でて出すのでは食べないと思ったので、ホットプレートで丸焼きにしてかつおぶしをかける事にしました。部屋中にただようブロッコリーの良い香りに、ほとんどのの子が、わくわく自分のお皿を持ってもらいにいっていたので「自分たちで育てた野菜」「目の前で調理したライブ感」もあって食欲へと繋がったのでしょうね。ぱんだ組におすそ分けすると「美味しい!美味しい!」と声があがり、それを聞いたうさぎ組は3回もおかわりをもらいにくる子もいたほどです。数日後、収穫した株からまたまた小さなブロッコリーができていました。前回の焼きブロッコリーで食べなかった子もいたので、以前、大根の葉のふりかけは食べていたのを思い出しブロッコリーも細かく刻んでふりかけにしておにぎりクッキングを計画してみました。するとまた全員が美味しいと言って食べたのです!スーパーにおにぎりに巻く海苔も買いに行き自分でにぎるひと手間もあることで、食欲につながったのかもしれません!今でも、昼食にブロッコリーが出てくると「ブロッコリー!」と喜んで発見し「ブロッコリー育てたね」と友だち同士で思い出している姿を見ると育ててよかったなと思いました。ぱんだ組に進級しても、色々な食材に触れて興味を広げていきたいです。
楽しい事となるとみんな参加し自然と集団遊びになります。友だちが好き!!人が好きって事ですよね。沢山の経験を通して友だちの良さ集団の楽しさを知りつつあるうさぎぐみ。最近では「ぱんだ組になる!!」と言って自分の出来る事は自分で取り組み意欲的なんですよ。おひさまパワー全開で楽しんで行きたいです!!
ぱんだぐみ
早いもので残り1ヵ月で今年度も終わりを迎えようとしています。最近は寒暖差も大きいですが、春の訪れを感じることが多かったですね。暖かい陽気もあってか子ども達からも「OO公園に行きたいという声が上がってくることがあり、いくつか候補が出た時にはみんなで相談して行き先を決めています。私は今まで 3 歳以上のクラスも受け持った経験が多いのですが、この散歩先決めは幼児クラスでもなかなか決まらず話し合いに時間がかかり、その日遊ぶ時間が短くなるといった経験も多々・・・。その為、複数の散歩先があがった時にみんなが納得して一つの行き先に決められるかな~と内心焦ったりもしたのですが、驚くことにそんな心配はいらなかったのです。その時は「ねこじゃらし公園に行きたい」「はなみずき公園がいい」という 2 つの意見が出ていて、よく話を聞いてみるとねこじゃらし公園に行きたい子は”長らく行けてないので久しぷりに行きたい”とのことでした。「そうだね~!前に行ったときは寒くて動けないぐらいだったから今日みたいにぽかぽかで暖かい日に行けたらきっと楽しいよね」「はなみずき公園は近いし、みんなの足ならいつでもすぐ行けるかもしれないね」と大人の見解を伝えてみると“確かにそうだ!”という表情を見せる子ども達。はなみずき公園を希望していた A ちゃんとB君もそれを聞いて
「じゃあ、今日はねこじゃらしでいいよ」と譲ってくれたのです。はなみずき公園には今度行こうと約束もしてみんなが納得。全員が気持ちよく出かける事ができたのです。この出来事からクラスの集団の中で躇せずにしっかり自分の考えや意見を言える力と人の意見や話を聞いて一緒に考えられるカがあることが分かり、2 歳児からこんな話し合いができることがすごいなと感心してしまいました。普段から子ども達がお家の人に話を聞いてもらったり、いろんな気持ちを受け止めてもらっているからこそ、自分の事だけでなく人のことも大事に考えられるのだと思います!本当に一人ひとり素敵な子に育っていて心から嬉しいです!暖かくなってきてから「園庭でおやつ食べたい!」「気持ちいいよね」と話している子もいて、この感覚や感性もまた素敵だなと思ってみています。
さて、今月はこの1年大切にしてきた取り組みについてお話していきたいと思います。それは何といっても食育ですね!今年はおひさま保育園の歴史の中でも一番といっても過言ではないほど、力を入れて野菜の栽培から調理まで 1 年通して挑戦してきました。うさぎ組の時は育てた食材を目の前で調理してもらっていましたが、ぱんだ組では自分たちの手で育てた野菜や買ってさた食材を使って調理を楽しみ味わう経験をたくさんすることができました!(焼き
ナス、夏野菜ピザ、五平餅、イチゴのホットケーキ、ブロッコリーの炒め物、大根のでんがくみそのせ、ほうれん草のふりかけ、じゃがいももち、煮大豆、赤米
の紅白おにぎり、梅干しおにぎりやみその焼きおにぎり、オクラは味噌汁に入れて、、、など)
楽しい調理を繰り返す中でうさぎ組の時以上に野菜の育ちに関心を向け、野菜のお世話にも力が入っていた子どもたち。他のクラスの野菜の成長までも気にかけて水をあげていたり、「もうOOできてるからとってね!」と教えている子もちらほら。調理体験を重ねる中で「ホットケーキ作りたい」「イチゴのせたい」
という声が子どもたちから挙がり、実現させることもできました。また調理経験はおままごと(お店屋さん)にも反映されて、実際にやった調理を再現するように遊んでいたり、おでんなど好きな料理をお家での作り方を見て覚えていたのかリアルに遊んでいるのです。ぱんだ組には料理人がいっぱいです♪ご家庭でも料理のお手伝いをしたいという子がいたのではないでしょうか?
調理をした時には他のクラスの友だちや担任以外の職員にも味わってもらいたいという気持ちも膨らみ、毎回、「分けてあげるね」と声をかけて配っていて自分たちだけが良い思いをすればよいのではなく、人の事まで考えて思いやれる素敵な子どもたちの姿につながったことを嬉しく思っています。散歩で畑にいけば、何つくってるの?と農家さんに話しかけて野菜がうまく育つ方法を教えてもらうなど交流を持てたこともよかったなと思っています!栽培はうまくいく
事ばかりではなく失敗や苦労も重ねてその度、学びにつながりました。子ども達にはぜひこれからも野菜の栽培や調理を楽しんでいってもらえたらいいなと思います。そんなぱんだ組は今、ぐりとぐらごっこに大ハマり!役になりきって園での日常の様子も混ぜ込んでごっこを楽しんでいます。
今月は遠足もありますね!最後の日まで思い出になるような大切な時間をみんなで楽しく過ごしていきたいと思います!